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住宅インスペクションとは

「インスペクション」とは「診断」の事。「住宅インスペクション」とは「住宅診断」という意味です。

これまで日本においては、木造の住宅は国税庁の減価償却より22年で価値がなくなるというものでした。

なぜ22年か?と言えれれば、法律制定時の建物はその程度のもの!!!と国が言ってるのと同じです。

しかし近年、ZEHや長期優良住宅、低炭素型住宅などの様に、性能の良い建物を長く使いましょうという方向に国の政策が進んできております。
2020年には、新築物件の断熱性能にも法的チェックがかかってきます。

そうなると木造住宅の減価償却(住宅寿命)の考え方もこれから変わってくるでしょう。
そして、そうなった場合今度大事になることは、性能の良い住宅をいかに維持管理していくか?ということになります。
建物も人間と同じく、健康診断や、時には病院に行かないといけない事はあるでしょう。
特に、住宅の売却を考えている時は、特に重要になってきます。
インスペクションではこれまでの維持管理や改修・修理履歴等も含め、住宅の健康診断を行います。

実はその結果によって、不動産流通センター『価格査定マニュアル』により建物の価値が上がることも多くなってきています。

先日、インスペクションを行った物件においては築35年の木造住宅でしたが、440万の建物の価値があると査定できました。
今後、インスペクションを通じ、建物の維持管理及び売却時の価格判定基準がより明確にスムーズになっていくでしょう。

【点検内容の一例】

●外壁に構造躯体に影響のあるヒビが無いか

●基礎に構造躯体に影響のあるヒビが無いか

●床下の木材に腐食はないか、シロアリはいないか。

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鹿児島銀行本店(国登録有形文化財指定 2007年)解体

鹿児島銀行本店(国登録有形文化財指定 2007年)の解体が始まっています。
また一つ建築の文化が失われてしまいます。
スクラップアンドビルド
都市の記憶喪失はこうして進むのだろう。
嘆いているのはこの世代に生き、気が付いている人だけで過去の建築物についてはもう誰も忘れてしまっている。
しかも思い出すことはないのであろう。
かごしまアリーナ(刑務所あと)、イオン鴨池店(鴨池動物園)の様に。
それが、いけないことなのか本当はわからない。
経済は止まれば衰退する。建築や都市も発展しなければ衰退する。ただ、古いものを残せばいいわけではない。
しかし、有効に利用している古い建築物も世界には数多くあるのも事実。

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地産都消

先日の週末、建築士会全国大会が開催されました。
今年は大分ということもあり木材に関する催しなど多くありました。

その中でも 木造フォーラム 地域でたちあげるこれからの木造建築というものがあり

腰原 幹雄先生をはじめとした木造に関する著名な方の講演、パネルディスカッションがありました。
木造といえば  家を造る。
田舎はやっぱり木造建築だ
木を育ててその地域の中で消費する
森を守り為に、地域で森を管理する。

こういった事がこれまではよく議論されていたかと思います。

しかし、これからは

地産都消

実は、建設に必要な材料を最も多く必要としているのは都心部です。
地方でのみいくら住宅用に森を間伐、製材していても、今の林業が発展していなく、むしろ経済的にはよくないことが現実です。

それならば、森を守るためにも都心部の建設に必要な建材を日本の地方の林業で賄おう!!!という考え

日本で出来たものはすべて日本で消費する
といった具合に
地産地消という考えはもう日本規模になっていると考えた方が納得いくかもしれない。。。
そんなことを可能にするための最先端の技術や設計方法をちょっとだけ教えて頂きました。

CLTのような構造計算のできる壁式建築
ただRC造やS造を木造に置き換えたような構造が何かわからない建築
ざらざらした凹凸のある木 素材の本質を活かした建築とは
構造耐力の強化  壁倍率 15倍 jis a 3301
中大規模木造建築の 標準納まりの設計資料の整備

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4面塞がりの旗竿地 〜鹿児島でマイホームを建てる〜

4面塞がりの旗竿地

こんな土地ならどうしますか?
まずパス、見もしない。

しかし、値段は見てみるとやはり安い。

すこし考えてみる。しかし、窮屈だし、不便だ。

そして、やめる。

しかし、短所を見極めてそれを逆手に利用する。そんな方法もあります。

廻りが塞がれているなら、中を開放的にすればいい。幸い土地は広い。

ならば、コートハウス(※建物や塀で囲まれた中庭(コート)や光庭(こうてい)などのオープンスペースをもつ住宅のこと)という選択があります。

こういったプランの工夫により土地が最大限に活きてきます。

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林業から建築へ

先日、木推協主催の建築見学会のスタッフとして参加させて頂きました。

内容は建築技術者を目指す高等技術専門校の生徒さんを林業から建築現場、そして完成後の建物を見学するもの。
林業では、実際の杉の伐採について見学。

昔は人がチェーンソーをにて木を伐採していたが、ここでは海外の重機を使用して作業している。人の手による作業はどうしても危険が伴う上、作業においても職人の経験や技術が必要になる。重機を使用しても技術は技術は必要だが、安全性は待ったく違う。しかも作業性はものすごくよい。
しかしもちろん初期費用がかなり掛かる。この先端部分の機械だけで上質な住宅が建つほどだという。
そして先端部分の機械以外は国産のバックホーであるという。改造車だ。(笑)

プレカット工場では、工場操業20年ほどらしいが、創業当時はまだまだプレカットは浸透しておらず着工数の数パーセントであったようだ。しかし、現在はもちろんほとんど95%以上はプレカットではないだろうか。その上、SE工法や2×4工法など多様な工法も増えてきている。

以前は、大工さんが自分の自宅の一角に工場として加工場を持っていた。そして建て方まで1週間ほどかけて手刻みで仕口加工をしていた。
それがプレカットに変わった。時間はなんと8時間で完了するらしい。もちろんそれまでに図面をデータ化して機械に送るのだが。

また2階建ての木造住宅の工事現場の見学やツーバイフォー工法による木造3階建ての建物の見学もあり、高等技術専門校の生徒さんはこちらの方が興味深々であった。

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建築士の集い 木ん未来

昨日25日土曜日に宮崎にて、九州の建築士が集う 九州ブロック研究集会『建築士の集い』宮崎大会がありました。
私は初めて参加させて頂きました。今年から建築士会青年部の幹事をさせて頂く事なったこともあり、前夜祭や九州ブロックの青年部会議にも参加させて頂きました!
前夜祭は総勢70名ほど!! 九州の建築士が集まり多いに盛り上がりました。
特に驚いたのが大会の主催者側の方々が、このイベントをとても楽しんでいる事!
しかも飲み過ぎ?盛り上げ過ぎ?なくらい(^^;;
そして、当日
まず、午前中に九州ブロックの青年部にて会議。
今後の活動の事など。
そしていよいよ、午後から、
木ん未来 キンミライ 開催
大会という名前の通り、メインは地域実践活動発表を各県が行い、一番を決めるというもの。
今回は震災もあった為、その前に熊本の現状報告もありました。
その後、分科会。講演会やディスカッションなど興味があるものに分かれる。
私は初参加だったので、取り敢えず講演会を。
と言っても、なかなか一度に聞くことがない様な豪華メンバー。
とくに 建築家 内藤 廣 氏 (東大名誉教授)
テーマはもちろん 木 について
内藤先生も宮崎で木を活かした建築を設計しており、その日向駅の設計ウラ話など、面白かった。
腰原 幹雄 氏は現在東大教授、大規模木造建築の構造設計の第一人者。しかし、建築論についてもかなり厳し意見を持つ。
ゲストスピーカーも凄い。
プロダクトデザイナーの若杉 浩一 氏
レモン設計室 河野 秀親 氏
河野氏 は 宮崎在住の宮崎や鹿児島にとても良い建物を創る建築家。
有明町の『蓮の郷』など魅力あり建築をつくる。
トークセッションでは、
なぜ、木を使うか?
木を見せる魅力はなにか?
木造でもいい、予算上、木造しかないをしない!
なんとなく木造をしない!
林業との関わりは?
林業と建築が繋がり合うのが当たり前でないか?国交省と林野庁
木造は文化なのか産業なのか?
近代建築では木造建築は評価されていないが、なぜか?今後は?
瓦屋根木造の本当の設計を知る
と書ききれないくらいの深い建築論議が繰り広げられた。
その後、大会は終了となり、会場を移動し、懇親会へと移った。
正式な人数は分からないが、300人以上は来ていただろう。その一部は前日から、当日もほとんどが、懇親会を楽しんだあと、二次会へと宮崎の繁華街へと繰り出した。
経済的な効果も多く、各県のPRにもなる大変面白い集いだった。
そしてなにより、同業者の集まりなのにこんなにも楽しく真剣に活動する事。
社団法人等の活動にこれまであまり、理解をしていなかったが、今回得るものがかなり大きかった。